今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人で、今日の手術は、眼瞼下垂2人、涙管チューブ挿入1人、顔面腫瘤切除1人、外反症手術1人、霰粒腫3人(2歳女の子、4歳男の子、9歳女の子)でした。
白内障の進行度は“グレード”(G)という言葉で表現します。
今日、受診された64歳の男性の方は、視力が右0.3 左0.04と低下していましたが、よくこれだけ見えるなと思うくらい白内障が進行しており、その白内障の色は右は黄〜茶色、左は褐色で、グレードで言うと、右はG3.5、左はG5というところでした。お話を聞くと、右は去年から、左は10年くらい前から見えにくかったそうで、特に左はかなり進行した状態でした。 こちらにいらっしゃる前に他の眼科も受診されたそうで、『手術はうまくいくか分からない』と言われたそうです。そもそも、手術というのは、必ずうまくいくものではないのですが(手術に限らずどんなことにも100%はないと思っています)、ある程度の進み具合までの通常の白内障の手術であれば、基本的には問題なく終わります。ただ、この方のようにかなり進んだ白内障は、うまくいかないというか、10分程度の普通の手術で終わらない可能性はある程度、考えなくてはならなず、水晶体の袋がきれいに残せなかったり、白内障の濁りの破片が眼の奥(硝子体)に落ち込んで硝子体手術までしなければいけなかったり、レンズを眼の壁に固定する処置(強膜内固定)が必要になってしまうようなことがあります。白内障が進んでいれば、普通の手術で終わらない可能性があること(うまくいくか分からないということ)は、リスクというか、当然のことで、だから手術しないということではなく、ご自分の眼の状況と起こり得ることをご理解いただいた上で、先延ばしにせずに手術を受けていただき、何かイレギュラーなことが起これば、それに対し適切に処置を追加で行い、少しでも視力を回復させてあげることが重要かと思います。色んな可能性の話しはしなければなりませんが、基本的には普通の白内障の手術で終わるように頑張って手術したいと思います。