院長ブログ

全摘になっても

今日は午前のみの外来でした。
手術の申し込みは、白内障1人、ICL1人、霰粒腫4人(1歳男の子、2歳女の子、38歳女性、48歳女性)でした。

今日の外来では、50代半ばの女性の方が、他院で『白内障が進行し過ぎていて、手術しても視力が出ないかもしれない。全摘になるかもしれない。』と言われて相談にいらっしゃいました。右眼の水晶体は周りが真っ白で中心部が褐色な過熟白内障の状態で、視力は手動弁(手が動くのが分かるくらいの見え方)で、かなり進行した白内障でした。もちろん、進行した白内障の方が、普通の白内障に比べれば、手術の難易度や合併症のリスクは上がりますが、そのままにしていれば、どんどん見えにくくなり、余計大変になってしまいますので、基本的には、そのまま放置するメリットは全くないと僕は考えています。手術の時間は多少長くなることが多いですし、場合によっては、キズを大きく作り水晶体を丸ごと(袋ごと)取り出す“水晶体全摘術”が必要になり、通常の方法でレンズが入れられず、2回に分けてレンズを入れる手術が必要になることもありますが、それでもきちんと手術を行えば、通常は、十分な視力改善が望めます。なので、例え、全摘になってしまったとしても、これだけ進行した白内障、更にこんなに若い方であるならば、手術を行う価値は十分あるというか、手術する選択肢しかないと個人的には思います(もちろん、最終的には患者さま本人の意思によりますが)。

ちなみに、昔は水晶体が硬くなってしまうと、超音波の器械で水晶体が砕けないこともありましたが、白内障手術器械の進歩した現在では、水晶体の支え(チン小帯)が弱くなく、単純に硬いだけでなら十分に超音波で対応が可能かと思いますし、進んだ白内障でもそんなには心配しないで手術を受けていただければと思います。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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