今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂1人、霰粒腫4人(2歳男の子、4歳男の子、35歳女性、54歳女性)でした。
今日、白内障の手術を申し込みいただいた76歳の方は遠視の眼でした。強い遠視の人は、早めに白内障の手術をするとよいですよとお話しています。それは、遠視の人は、『若い時は2.0くらい、よく見えていた』とおっしゃる方も多く、裸眼で遠くも近くもよく見えるよい眼なのですが、年齢が上がり、老眼の影響が出やすく、40歳くらいになると、近くが見えにくくなり、50〜60歳くらいになると、遠くも見えにくくなり、眼鏡がないと遠くも近くもピントが合わずに見えない“不便な眼”になってしまうのですが、白内障の手術をして、眼内レンズでピントが合うように調整すると、裸眼での見え方がだいぶ見やすくなることが第一の理由です。また、多焦点レンズを使えば、全く若い時のようにとまではいきませんが、その時に近い見え方に戻すことも可能です。更に、遠視が強い人の眼は眼の長さが短いこと多く、眼の中の水(房水)が流れ出る部分(隅角)が狭くて急性緑内障の発作を起こしやすいのですが、白内障の手術をすることで、隅角が拡がり、緑内障発作を防ぐこともできます。
遠視の程度や現時点での見えにくさにもよりますが、遠視の人は白内障の手術をすることのメリットが多いので、矯正視力がよくて眼鏡を掛ければ見えるからと先延ばしにするのではなく(それでダメということもないのですが)、裸眼での見え方が悪くなったと感じるくらいで早めに手術を考えるてあげるとよいかと思います。