院長ブログ

隅角が狭い

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人と霰粒腫2人(5歳女の子、10歳女の子)でした。
今日の手術は、眼瞼下垂3人、涙管チューブ挿入1件、霰粒腫5人(2歳男の子、5歳女の子、10歳女の子、27歳女性、50歳女性)でした。

最近、多いのですが、今日の外来でも『他院で“隅角が狭い”と言われて、よく分からなくて』と70代前半の男性の患者さんがいらっしゃいました。多分、普通に生きていると、“隅角(ぐうかく)”という言葉なんて聞く機会はまず無いと思いますが、隅角というのは、眼の表面の透明な膜である角膜と眼の中のいわゆる茶目の“虹彩”の付け根からできる部分が隅角で、眼の中は房水という水が存在するのですが、この房水が眼の外に流れていく場所が隅角です(なかなか言葉では分かりにくいですが、プールの縁の排水溝みたいな感じです)。この隅角の広さ(開き具合)は個人差があり、隅角が狭い人もいて、このような隅角が狭い状態を“狭隅角”といいます。狭隅角だとあまりよくないのですが、何かの拍子に隅角がぺちゃんこに閉じてしまうことがあり、そうなると、房水の行き場がなくなってしまい、眼の中が房水でパンパンになって、がんあつが急激に高度に上がってしまうことがあり、これが“急性緑内障発作”です。急性緑内障発作を起こしてしまうと、ひどい視力障害を残してしまうこともあり、予防することが大事なのですが、その治療としては、白内障手術が行われます。緑内障なのに白内障手術と思われるかもしれませんが、虹彩の裏側にある水晶体が白内障で厚くなり後ろ側から押されてしまうことが隅角が狭くなる原因なので、水晶体を取り除き、薄い眼内レンズに換えることで隅角が広くなり、急性緑内障発作を防ぐことができます。

ということで、この患者さんも白内障の手術を行う予定とさせていただきました。なかなか分かりにくい話ではありますが、ご理解いただき、ありがとうございました。

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