院長ブログ

視力1.2の黄斑上膜を手術すべきか

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人と硝子体手術1人でした。
今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫5人(2歳女の子2人、3歳女の子、4歳男の子、4歳女の子)でした。

今日、黄斑上膜で硝子体手術の申し込みをいただいた53歳の男性の方の視力は1.2でした。黄斑上膜は網膜の中心部の黄斑の上に異常な膜ができてしまい、黄斑の形が悪くなり、見え方が歪み視力が下がってしまう病気で、一般的には視力が下がったら手術を行うことが多いかと思います。

黄斑上膜の手術は硝子体手術で硝子体を切除し、黄斑の上の膜を剥がす手術になりますが、できることはここまでで、膜を剥がして、結果的に黄斑の形状がよくなり、症状が改善することを期待することになります。つまり、手術で、黄斑の形を整えることまではできないということになります。黄斑の形が悪い状態が長く続けば続くほど、黄斑の形状、しいては症状の改善の度合いは少なくなってしまいます。もちろん手術は100%安全というものでもないので、無闇に行うべきではありませんが、視力が下がってから手術をするのではなく、黄斑上膜があることで、黄斑の形が悪く、歪みの症状があれば、基本的には手術してあげた方がよいかと考えています。特に、この患者さんのように50代と若い場合は、いずれどこかのタイミングで視力は下がってくると思われますので、それまで待って手術をして視力がなかなか改善しないよりは、今の視力を保つためにも現時点で手術を行うことは意味のあることだと思います。なかなか判断は難しいかもしれませんが、いつ手術をしなければいけないということがない病気は今、手術をすることと待つことのメリットとデメリットをよく考えて方針を決めることが大切だと思います。

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