院長ブログ

2度目の手術で

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人、眼窩脂肪ヘルニア1人でした。
今日の手術は、白内障15件、眼瞼下垂1人、霰粒腫1人(1歳男の子)でした。

今日の外来では、先週の金曜日に眼内レンズの入れ換え手術を受けていただいた70代の女性の方の経過観察がありました。この患者さんは、元々、年前に大学病院で多焦点レンズを使った白内障手術を受け、右眼はよかったのですが、左眼は術中に後嚢破損が起きてしまい、なんとか多焦点レンズを入れてもらったものの、レンズの支えの片方は嚢内に、もう片方は嚢外になってしまい、レンズが傾いているため、なんとなくはっきりしない見え方と光が拡がって見えることが不快で、当院を受診されました。

先週の金曜日に手術をして、イヤな症状がなくなり、すっきり見えるようになり、経過は良好となりとてもよかったのですが、実はこの手術は当院で2回目の手術になり、1回でよくなった訳ではありませんでした。

レンズが傾いていることが一番、悪い原因だったので、まずはレンズの傾きを修正すべく、初回の手術を行いました。嚢外にあった支えを嚢内に固定し直す予定で手術を始め、見える範囲では残った後嚢(水晶体嚢の後面)は確認できないので、盲目的に後嚢を探り嚢内固定を試みましたが、うまく収まる部分がなく、結局、両方のささえとも嚢外に固定して手術を終えました。レンズの傾きがなくなったので、嫌な光の見え方はなくなったのですが、嚢外固定になると、レンズの位置が前になるため、屈折が近視気味に変化します。そのため、ピントが近くになってしまい、遠方が見えない不自由さが出てしまいました。もちろん、術前に一番目指すところ、それが叶わない場合に目指すところ、その時に起こる可能性については予測がつく範囲で話し、この時もご理解をいただき、もしもっとよくできる方法があるならばと、今回の2回目の手術を受けていただきました。

今回の手術は、嚢外固定した多焦点レンズをやや遠方に合わせた単焦点レンズに入れ換える手術を行いました。右眼は多焦点レンズがきれいに入っていますし、入れ換えた左眼の単焦点レンズも見たいところがクリアに見えるよいところもあり、2度目の手術で、結果としては、とてもよい状態になったようで、よかったです。

もちろん、手術は少ない方がよく、1度でよい状態にできることが望ましいですが、状態によっては、結果的に何回かに分けてということになっても、段階的に手術を行った方がよいこともあるかと思っています。

事前に説明があったとしても、1度目の手術で思ったような見え方でないと不安になってしまうこともあるかと思いますが、この患者さんのように、よく話をしながら、お互いの意図や意思を確認しながら、一歩ずつ治療することがよい医療だと僕は思います。そういう医療ができるおとは医者冥利だと思います。どうもありがとうございますm(_ _)m(お昼も食べられないだろうから合間に食べてと、カステラの差し入れもありがとうございました!)

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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