院長ブログ

Artisan

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障4人、ICL1人、霰粒腫1人(9歳女の子)でした。
今日の手術は、白内障15件、糖尿病網膜症の硝子体手術1件、眼内レンズ交換1件でした。

今日の白内障手術の40代半ばの方は、10数年前に近視を矯正するArtisan(アルチザン)というレンズを入れる手術をしており、今回、そのレンズの摘出と白内障手術を同時に行わせていただきました。

現在、近視を矯正するレンズは一般的にICLと呼ばれ、柔らかいプラスチックでできていますので、取り出しもそれほど大変ではありませんが、このArtisanは PMMAという硬いプラスチックでできており、折り曲げて取り出すことができません。そのため、傷口を約6mm開ける必要があり、また、前房型のレンズでレンズはクリップ状の支えが虹彩を噛むように固定してあるので、このクリップを外す操作も必要になります。

そのため、今回の手術はまず上方にArtisanを取り出すための大きめの切開創(強角膜4mm 内部6mm)を作り、ここからセッシ(グラバーセッシ)でレンズを掴み、その両脇に作った小さな切開創(サイドポート)からフック(シンスキー)を入れ、レンズをやや持ち上げながら、クリップの隙間をフックで払うような操作を行い、虹彩を外し、レンズを取り出しました。その後、その切開創を糸で縫い、閉じ、白内障手術の操作に移り、いつもの耳側の角膜切開で水晶体の処理、新たな眼内レンズの挿入を行い、手術を終えました。

最初のArtisanを入れる手術がおそらく上方にキズを作って行われていたので、今回、また同じところに切開創を作るのがやややりにくく、また、虹彩切除も行われているせいか、傷口が閉じにくく、虹彩も出てきてしまい(単に切開創の作り方がよくなかったのかもしれませんが、、、)、その創を閉じるのが苦労しましたが、無事、Artisanのレンズを取り出せ、白内障手術自体は問題なく終えられたのはよかったと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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