今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂1人、翼状片1人、霰粒腫1人(5歳男の子)でした。
今日、受信された70歳の女性の方は、以前、他院で多焦点レンズの白内障手術を受け、ハローグレアが強く、また違う医院で単焦点レンズに入れ換え、しばらく過ごしていたそうですが、皮膚の問題で眼鏡の鼻当てが使えず、眼鏡がとても使いにくくなってしまい、相談にいらっしゃいました。
多焦点レンズの大きなメリットはあまり眼鏡を使わないこと、デメリットはハローグレアが出ること(出にくい多焦点レンズもありますが)、どっちを優先するか、自分にとって影響が大きいかでレンズの選択を行う訳ですが、眼眼をしたくなくて多焦点レンズを入れたけれど、ハローグレアが想像以上に強くて、これなら眼鏡をかけて単焦点でハローグレアがなく過ごせた方がよいと、単焦点へ入れ換えたお気持ちも分かります。そして、眼鏡をかけること自体が難しくなってしまった今、見えなくて不便よりは、ハローグレアを我慢してでも裸眼で見えた方がよいと思うなら、多焦点の眼に戻したいという気持ちももちろん、当然のことではあると思います。どうしても眼の状態やその他の条件も変わることはありますから、その時その時でベストな選択をしたとしても、今はそれがベストではないという状況も起こり得ます。その変化に対し、受け入れられれば、そのまま過ごすことも一つの選択ですし、また追加の治療が必用になり、それが結果的に振り出しに戻ることであっても、それを選択することも決して悪いことではないと思います。
この患者さんの場合、左眼は後発白内障で後嚢切開をしてしまっていて、多焦点レンズへの入れ換えは難しいため、アドオンレンズが選択肢になり、右眼はレンズ交換も可能と思われましたが、左右で違うレンズは使いたくないというのが強いご希望なので、左右とも多焦点のアドオンレンズを入れるのが、一番有力な治療と思われました。また、この方のように複数回の治療を行っている場合、また元に戻したいと考える可能性もなくはなく、その点でも、アドオンレンズはレンズを入れるのも、抜き出すのも簡単なので、よい治療かなと思いました。