院長ブログ

平塚盲学校に行ってきました!

今日の午前中は平塚にある神奈川県立盲学校に見学に行かせていただきました。

 

 

 

 

 

先日のロービジョン学会で、この平塚盲学校の先生と知り合い、行ってみたいと思いました。

実は、眼科医生活15年で盲学校に行ったことはありませんでした。それどころか、視覚障害のある子が通う学校という認識はありましたが、どんな子がどこから通って、どんな風に勉強しているかは正直、あまり分かっていませんでした。今のクリニックで、盲学校に通っている子どももいませんし、開業するまでもそういう子どもには関わることはありませんでした。なので、眼科医は実際にはそれほど盲学校にとって重要でないのかもしれません。でも、やっぱり眼科医をしている以上、関わる可能性は必ずある訳で、その時に、僕が盲学校のことを知らないがために、その子どもが通り過ぎてしまったり、その子や親御さんから『盲学校ってどうなんですか?』と聞かれて、『あまり分からないのですが』とは言いたくないなと、今更ながらに思ったことと、最近、障害者スポーツのイベントで盲学校に通う子どもと接する機会も多く、その子たちと話す上でも、盲学校がどんなところか知りたいと思っていたのが、今回の見学に行きたいと思った理由です。それと、もう一つ、ロービジョン学会で出会った盲学校の先生がとても熱心だったのも行ってみたいなと思った理由です。

 

 

 

 

 

そんな訳で行ってみた盲学校でしたが、知らないことばかりで、とても勉強になりました。幼稚部からあり、小さい子だと3歳から、高等部は鍼灸や指圧の技術習得のためのクラスもあり、高校生世代だけでなく、大人も(最高齢は75歳)在籍しているそうです。教科書も字の大きな拡大教科書や点字の教科書を使ったり、漢字も点字で勉強できるそうです。図書館もはたくさんの本があり、これも拡大文字のものや点字のものがあり、1冊の百科事典は点字になると何十冊にもなってしまうそうです。実習室でも点字の解剖の教科書がありましたが、文章だけでなく、図も点字で表現されていました。ただ、なかなか点字で図を把握するのは難しいらしく、色んな臓器の模型が置かれていて、色んな工夫をして一生懸命、勉強しているんだと思いました。美術室には、生徒さんの作品が色々飾ってありましたが、視力は悪くとも色彩は結構わかる子も多いらしく、鮮やかなものも多かったですし、色を使う代わりに、手で触って分かる色んな素材を貼り付けた絵もあり、美術の楽しみ方も色々でおもしろいなと思いました。体育館では、グランドバレーが行われていて、あまり聞かないスポーツですが、盲学校の生徒には、ポピュラーなスポーツらしく、きびきびと元気にスポーツする姿は、どんな子どもも一緒だなと思いましたし、大切なことだと思いました。そして、盲学校には寄宿舎もあり、遠方の子は住み込みで学校に通っているそうです。もちろん、24時間体制で宿舎にも職員の方がいるそうですが、見えないのに親元を離れ、生活することは、きっと大変でしょうが、でも、絶対に将来、生きていくために役立つことなんだろうと思いました。

今回、行くまでは、盲学校はなんとなく、受け身というか大人しい子が多いのかなと勝手に思っていましたが、実際に子どもたちの姿を見ると、全然そんなことはなく、主体的で元気で明るい子ばかりで、すごくいきいきしていました。どういう環境で過ごすかというのは、大事なことだと思っていますが、盲学校も必要な子にとってはとても重要な場所なんだと思いました。単に勉強をする設備としてだけでなく、熱心で一生懸命な先生がいる盲学校のことは、眼の見えにくいお子さんの親御さんだけでなく、学校の先生、そして、僕ら眼科医も知っておくべきだと強く思いました。

今日は2時間の予定で伺い、とっても勉強になり、楽しく見させていただきましたが、学校の中も授業の様子も、到底、見切れませんでした、、、ということで、また今度、改めて伺いたいと思います。その時は、クリニックのスタッフにも一緒に連れて行きたいなと思います。

色々、丁寧に熱心に説明、案内してくださった神尾先生、とても楽しくて行ってよかったです!どうもありがとうございましたm(_ _)m

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