院長ブログ

レンズが入れられなくとも

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人、硝子体手術2人(黄斑上膜、強膜内固定)、霰粒腫 1人(22歳女性)でした。
今日の手術は、白内障14件、黄斑上膜の硝子体手術1件、霰粒腫1人(5歳男の子)でした。

今日、強膜内固定の手術を予定させていただいた50代の男性の方は、他院で両眼とも白内障の手術を受けており、少し前から、左眼が見えたり見えなかったりでおかしいと、本日、受診されました。

眼の状態を見させていただくと、右眼は眼内レンズが全く見えず、『あれ、右眼のレンズがズレてしまった?』と思い、『見えにくいのは右眼ですか?』と聞くと、『いえ、右はずっと見えなくて、今回は左眼です。』とのお答えで、左眼も見ると、確かに、左眼のレンズも眼の底に落ちかけていました。よくよくお話を聞くと、右眼はずっと前、白内障の手術を受けた際に『レンズが入れられなかった』と言われ、そのままで過ごしていたようです。

白内障の手術では、水晶体の袋(水晶体嚢)を残し、その中に眼内レンズを収めて手術を終えますが、何らかの原因で、水晶体嚢が使えず、レンズが入れられないことがります。しかし、レンズの支えを眼の壁に固定する強膜内固定や縫い付ける縫着術を行うことで、レンズを眼の中に入れることは可能です。なので、『レンズがいれられなかった』というのはあくまで、その時の話ですので、レンズが入れられなくとも、レンズを入れて視力が出る見込みがあるのであれば、改めてレンズを入れる手術をしてあげたらよいかと思います。

ただ、この患者さんの場合、まずはレンズが落ちかけている左眼を何とかした方がよいので、先に左眼の手術を予定させていただきました。その手術の経過が落ち着いたら、改めて右眼の手術をしたいなと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

TOPへ