院長ブログ

硝子体混濁を取ると

今日は午前は外来、午後は手術でした。

手術の申し込みは、白内障2人、今日の手術は、眼瞼下垂2人、眼窩脂肪ヘルニア切除1人、霰粒腫4人(3歳女の子、4歳女の子、5歳女の子、22歳女性)でした。

硝子体に濁りがあると、その濁りにより影が生じ、飛蚊症の症状が出現します。基本的に、飛蚊症は保険手術の適応にはなりませんが、“硝子体混濁”という状態は保険手術の適応になります。この硝子体混濁はぶどう膜炎の後など、視力を低下させるような病的な状態を指してのことだと考えられますが、飛蚊症は硝子体に混濁があることで生じる症状なので、厳密にその違いを区別することは難しく、広い意味では、硝子体に混濁があれば、保険での手術でもよいのかなと思っています。

保険の適応になるかどうかは、解釈の違いもあり、なかなか難しい問題ではありますが、個人的には、硝子体の濁りがはっきりとしていて、症状がかなりお辛く、日常生活もままならないような状況であれば、保険手術の適応と考えてよいのではと思っています。

実際、昨日、硝子体混濁に対し、硝子体手術を行った60代の男性の方は、術前のかなり辛い症状が、もうすっかりよくなったと喜んでくださいました。もちろん、手術はリスクも伴い、なんでもかんでも硝子体の濁りがあれば取ればよいなんてことはないと思っていますが、症状が強い場合は、手術での治療を考えてもよいのかなと思います。ただ、20〜30代くらいの若い年代では、硝子体と網膜の癒着が強く、どうしてもリスクが大きくなってしまうので、眼の状態にもよりますが、できれば手術しない方がよいかと思っています。

 

TOPへ