院長ブログ

ゾンマーリング

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人で、今日の手術は、白内障11件(ICL摘出併用1件)と硝子体手術(強膜内固定)1件でした。

強膜内固定は60代後半の女性の方で、昔、外傷で水晶体の摘出のみ行い、強度近視で黄斑が萎縮していることもあり、眼内レンズが入らないまま(無水晶体眼)となっていたのですが、レンズが入っていた方が多少見やすくなるようなので強膜内固定でレンズを入れることにさせていただきました。

通常の白内障の手術でも細胞レベルでは白内障の細胞が多少は残り、その細胞が術後に残り、後発白内障を起こしたり、水晶体嚢の赤道部にドーナツのようなリング状の濁りを作ることがあります(ゾンマーリング)。今回の患者さんでも部分的にゾンマーリングができており、レンズを固定するのに邪魔になりそうなため、これを取ることを試みました。大部分は傷口からスルッと出てくれたのですが、一部、塊として眼底の奥に落ち込んでしまいました。こうなると少しずつ硝子体カッターで削りながら吸い取らなければならないのですが、カッターの吸引口は高速で歯が動くようになっていて、塊を弾いてしまうので、ライトの器具で塊を抑えながら少しずつ処理していきますが、塊は網膜の表面に落ちているため、拾う時には網膜を傷つけないような注意もしなければならず、地道で厄介な操作が必要になってしまいます。

硝子体の切除と眼内レンズの固定はとてもスムーズでしたが、このゾンマーリングの処理に時間がかかってしまいました。黄斑の萎縮も強いので、極端な視力改善は難しいでしょうが、レンズはきれいに入れることができたと思うので、少しでも見え方が改善してくれるといいなと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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