院長ブログ

20歳の先天(?)白内障

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人で、今日の手術は、白内障14件(アイステント併用3件)と硝子体手術(強膜内固定)1件でした。

今日、白内障の手術の申し込みをいただいたのは20歳の男の子でした。彼は5歳の時に眼科を受診して、“先天性の白内障”と言われたそうです。視力というのは、生まれたばかりの赤ちゃんの頃からよく見えている訳ではなく、視覚的な刺激を受けることで、少しずつ成長し6〜7歳で完成するといわれています。その刺激感受期はとても大事な時期で、この時期に強い遠視や眼瞼下垂、そして白内障などがあり、十分な視覚刺激を受けられないと、視力がうまく発達してくれずに弱視という状態に陥ってしまい、刺激感受期を過ぎてからではいくら刺激を与えても視力の発達を促すことはできません。白内障はいつでも濁り取り除き、眼内レンズを入れてあげれば、普通は見えるようになしますが、先天白内障で弱視の状態であると、手術をしても十分な改善がみられない可能性もあります。ただ、この男の子の場合、白内障の濁りがすごく強い訳ではなく、実際に前は視力が1.0くらい出ていたということで、弱視ではなさそうで、白内障の濁りを取ることで見え方が改善してくれるのではと十分期待が持てるように思えました。あとは、レンズをどうするかが手術のポイントになってくるので、慎重に進めたいと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

TOPへ