院長ブログ

0.5Dのための入れ換え

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障8人、眼瞼下垂1人、霰粒腫4人(3歳女性、5歳男性、30歳女性、38歳女性)、硝子体手術2人(黄斑上膜)でした。

今日、白内障の術後の相談でいらした70代の女性の方は、他院で両眼の白内障手術を受け、遠視ズレしたため、また他の医院で右眼のレンズ入れ換えをし、今度は左右の差が気になってしまい、当院へいらっしゃいました。

この方の度数は右D、左Dと、その差は0.5Dです。左右で同じような見え方を目指しても、どうしても計算でレンズを選ぶ以上、この程度の差がついてしまうことはありますし、多くの方は問題にならないと思います。眼内レンズの度数としては、2段階くらいの差でしょうが、この差をレンズの入れ換えで修正となると、そう簡単な話ではないところもあります。度数を換えて調整したレンズが、入れ換え前と同じ状態で眼の中に収まれば、その換えた度数の分だけ見え方が変わってくれます。しかし、実際には、手術の際に角膜を切開し、そこからレンズの出し入れによる角膜の変化やレンズを取り出す際には多かれ少なかれ、水晶体の支えに負担がかかり、レンズが収まる前後方向の位置(深さ)が変わることもあります。つまり、レンズの度数以外にも不確定要素があり、結果として、あまり変わらなかったり、逆に過剰になってしまうことも可能性としてはあります。なので、0.5Dの差を修正するのであれば、レンズの入れ換えよりは、角膜を削るレーシックやもう1枚レンズを追加するアドオンレンズの方が、精度は高いと考えています。

ただ、この患者さんは、こういったことをお話しした上で、それでもレンズの交換を希望されたため、その方向で予定させていただきました。やるからには少しでもうまくいくように頑張りたいと思います。

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