院長ブログ

認知症があっても

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1件で今日の手術は、白内障12件、硝子体手術3件(硝子体混濁、硝子体出血、眼内レンズ偏位強膜内固定)でした。

今日、白内障の手術の申し込みをいただいた80代の女性の方は、かかりつけの先生から、『認知症があるから手術はできない。大学病院で全身麻酔をかけて手術してもらった方がいい。』と紹介されたものの、大学病院では『全身麻酔をかけてまで手術をすることはない』と言われ、困って当院にいらっしゃいました。

僕は軽い認知症であれば(大人しくしてくだされば)、そのまま普通に手術しますし、ちょっと怪しい方は、点滴で鎮静剤を使って手術を行っています。

ご家族の娘さんから、『手術できないと言われたのに、大丈夫でしょうか?』と心配されましたが、どうしても認知症の患者さんは診察も検査も手術でも人手が要りますし、手間もかかるので、『手術できない』と断わられてしまうこともあるのではと思います。この方の場合、指示が入りにくいので、鎮静剤を点滴しようかなとは思いますし、普通の方の手術よりはクリニック側には負担がかかりますが、基本的には手術自体は十分可能と思いました。手間がかかることを、できないと断ってしまえば、簡単ですが、困るのは患者さんとそのご家族なので、なるべくできる範囲では対応したいと思っています。

ちなみに、認知症のある方も白内障手術では、前の病院の時に、手術室の前で『絶対に手術したくない!』と断固拒否され、入っていただけずできなかったこと一度だけありました。手術室に入ってもらえなければ、手術できないですし、それだけ本人の意思がはっきりしていれば、無理に手術しなくてもよいかと取りやめました。

無理にしないといけないことはないですが、認知症があっても、見えにくそうにしているようであれば、手術すると、意外と認知症が改善したようになることもあるので(実際に認知症が改善する訳ではなく、見えないことで認知症が悪くなっていたように見えることがあると思います)、可能な限りでは手術してあげた方がよいかと思っています。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

TOPへ