院長ブログ

Asumanu

昨夜はそのまま修道院に宿泊させていただきましたが、夜になれば周りは真っ暗でテレビもなく、携帯の電波も入らず、あとは寝るだけのとても静かな夜過ごし、いつ振りだろうというような清々しい朝を迎えることができました。

今日はBazarteteから更に車で2時間ほど奥地へ進み、NAROMANの坂西理事長が支援して医師になったマヌエル医師のAsumanuの診療所で診察させていただきました。

Asumanuは山奥とは聞いていましたが、車1台やっと通れるような細く、大雨でアスファルトが所々流されて凸凹の道を登って下って進み、ガードレールが無いところも多く、ちょっと心配でしたが、無事に行き来できよかったです(運転手のMaxi、どうもありがとう!)。

この日は58名の診察をしましたが、診療といっても、屈折スクリーニングと診察と、できることは限られ、日本からの使わなくなった老眼鏡の配布と白内障の手術適応患者さんに『手術した方がいいですよ』と伝えることがメインでしたが、『手術しない』という考えの人も多く、そもそも、手術可能なDiliの国立病院へ行くのも本当に困難なことが実感できました。でも、老眼鏡には喜んでもらえました。寄贈してくださった皆さま、どうもありがとうございました。

日本では病気になれば、病院にすぐ行けますし、救急車もあります。もちろん、Diliには救急車もあるそうですが、Asumanuのような奥地には小さな診療所がやっとあるだけです。急な病気ですぐに病院になんて簡単なことではなく、日本であれば助かる命が助からない、眼で言えば失明しなくて済むはずの眼を失明させてしまうようなことも少なくないのではと思いました。そんな状況では、病気を治すことよりも、病気にならないこと(予防)に重きを置くことはとても重要で、本当は医療の基本であることも改めて感じました。そして、今、これだけの治療が受けられる日本の医療はありがたいことですし、せっかくあるこの医療技術を精一杯提供していくのが僕ら医療者務めだと思いました。日本に帰ったらまた自分のできることを頑張りたいと思います!

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