院長ブログ

抗がん剤の副作用?

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人、今日の手術は、白内障14件と黄斑上膜の硝子体手術1件でした。

先月、受診された60代前半の男性の方の経過観察がありました。この方は前立腺癌で抗がん剤治療を行なっており、ザイディガ(アビラテロン酢酸エステル)という薬に変えた翌日から両眼の見えにくさを自覚され、約1か月継続したものの、おかしいと感じてまた違う薬に変えてもらったものの、見えにくさは続き、当院を受診され、当院初診時の視力は右0.4左0.03と強い視力障害を認め、眼底所見としては、血管が細く血流が弱くなっているような印象があるものの、治療を要するような明らかな器質的な所見は見られませんでした。

この薬の添付文書を調べても、視力障害などの眼に関する副作用は眼精疲労や羞明だけで重篤なものは出てきませんでした。薬の作用機序的にも眼への副作用はちょっと考えにく因果関係ははっきりしませんでしたが、“薬を変えた後すぐに眼の見え方がおかしくなった”という事実がある以上、その薬を止める(変える)ことは妥当な選択だと思います。実際、薬が影響したかどうかは別として、おそらく、網膜や視神経に何かが起こったのだと思いますが、現時点で何か治療をすれば劇的に改善するというような状況ではないと思われました。ただ、現実的には見えにくさからかなりの不便があり、少しでも見え方をよくできればということで、白内障の手術を行うことになりました。見えにくさの根本的な原因ではないので、どれくらいの改善が得られるかは分かりませんが、少しでも見え方がよくなってくれるといいなと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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