院長ブログ

入れ換えかアドオンか

今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは、白内障2人でした。

今日の外来では2人、他院の白内障術後の相談の方がいらしゃいました。

一人は、40代後半の女性で、元々は強度近視でレーシックを受けて遠方が見えるようになったのですが、核白内障が進行し近視が出たところで今年の5月末に白内障手術を受け、単焦点で遠方に合わせたのですが、近くが見えにくい不便さが出てしまったそです。

もう一人の方は、50代後半の女性で、今年の3月に白内障手術を単焦点のモノビジョンで受けたところ、『左右差の違和感が強い』ため差をなくしたいと受診されました。

最初の方は、片眼だけするか両眼するかも考えなければなりませんが、ピントを近くにするか、多焦点にするか、ということをまず決める必要があります。

次の方も、片眼か両眼かはありますが、もしするとすれば、ピントを変えることになります。

このように、ピントを変える、もしくは、単焦点の眼を多焦点にする場合、当院での治療方法としては、単純にレンズを入れ換える(眼内レンズ交換)か今のレンズはそのままに、もう一枚レンズを追加するアドオンレンズという選択肢があります。

この2つをどう選択するかについては、元々の眼内レンズが問題ですので、基本はレンズ交換かと僕は考えています。ただ、手術の容易さやリスクの無さという点では、アドオンレンズの方が有利な面もあります。そのため、眼の状態によっては、レンズ交換よりもアドオンレンズの方が向いていると考えられるケースもありますし、アドオンレンズのもう一つのメリットは、もし万が一合わない場合に取り出して元の戻すことも容易という点があります。なので、今の眼をこう変えたいと明確に方向性が決まっていればレンズ交換でよいと思いますが、そうではなく、こう変えたらよくなるかもしれないくらいの気持ちで、実際のところ、手術をしてみないとよくなるかどうかがはっきりしないような場合には、アドオンレンズを選択した方がよいと考えています。

今日の診察では、最初の方は、遠近コンタクトでシミュレーションをしたものの、イマイチで、多焦点よりは単焦点の方がよいかもしれないと思われたので、近くに合わせるコンタクトを3種類(およそ25cm、30cm、50cmに合う度数)お渡し、ピントが近くになった時に近くの見え方がどうか、遠くの見え方がどうか、片方だけ近くにし、その違和感はどうかを感じていただき、次回、その様子を教えていただくことにしました。もう一人の方は、予約時には違和感があったものの、受診まで待つ間に少しずつ違和感が取れてきているとのことで、もう少し様子を見るのがよいかとお伝えしましたが、眼の状態として、前嚢収縮も強めでレンズ交換がしにくそうだったので、もし何かするのであれば、アドオンレンズの方が望ましいかと話をさせていただきました。

白内障手術後の度数を変える、もしくは単焦点の眼を多焦点にするには、レンズ交換が基本ですが、変えることでよくなる確証が高いとまでは言えない場合や、レンズ交換がしにくい眼の状態の場合は、アドオンレンズの方が望ましいかと考えています。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

TOPへ