院長ブログ

仙台、和歌山、宮崎

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障4人、眼瞼下垂2人、霰粒腫3人(2歳女性、5歳男の子、11歳男の子)でした。

今日の外来では、白内障術後の見え方の相談で、60代前半の男性が和歌山から、またもう一人60代前半の男性が宮崎からいらっしゃいました。

和歌山からの方は、右眼の白内障手術で多焦点レンズのSynergyを入れところ、ハローグレアがきつく感じるということで、単焦点レンズへ入れ換えることが、症状を改善する一番確実な方法かとご提案させていただきました。しかし、遠方も近方も視力自体は出ており、眼鏡をかけるようになるのもちょっと抵抗があるという気持ちがあるようで、海外から取り寄せる必要はありますが、ミニゥエル プロクサを使えないか?という質問を受けました。今よりはハローグレアが少なくなると思いますが、完全にゼロにならない可能性があることと、予定のレンズが使えない可能性もなくはないのですが、その場合に、国内のレンズであれば変更の費用(使わないレンズの費用)はかかりませんが、海外輸入レンズの場合、発注時点でレンズ費用がかかってしまうことをご了承いただければ、ミニウェルのような海外レンズでの入れ換えも予定は可能とお話させていただきました。

宮崎からの方は、網膜剥離で手術する際に、白内障の手術も一緒に行い、術後から、外側の方に影が見える“negative dysphotopsia”という症状が出てしまい、その改善ができないかというご相談でいらっしゃいました。negative dysphotopsiaは眼内レンズの縁の表側と裏側の光の屈折の隙間から出る症状とされており、悪いことが原因で出る症状ではないですし、術後の経過で水晶体の表面の濁りが出てくると、消えてくれるとされています。ただ、どうしても症状に困っていて、なんとかよくしたいという場合は、一般的な大きさのレンズ(6mm)が使われていれば、径を大きいもの(7mm)に換え、レンズの位置を前の方にすべく嚢外固定をすることが治療となります。また、レンズの支えは水晶体嚢の中のままで、レンズの部分(光学部)のみを水晶体嚢の外側に出すreverse optic capture(ROC)という方法も有効とされています。僕はnegative dysphotopsiaに対してのレンズの入れ換えはしたことはなく、症状がなくせますよとまでは言いにくいのですが、どうしてもなんとか症状をよくしたいとお考えなら、手術にトライしてみてもよいのではと思いました。それから、この方の場合、ピントが近方に合っていて、その不便さもあり、ピント自体も遠方に変えたいという希望もあり、入れ換えの目的がnegative dysphotopsiaの改善とピントの変更の2つで、うまくいけば両方の目的を達成できますし、少なくともレンズの度数を変えれば、理論上、ピントの位置は変わってくれますので、入れ換えを考えるのも悪くはないのではとお伝えしました。ただ、negative dysphotopsiaの治療で嚢外固定にする場合、3ピースレンズを使う必要がありますので、乱視用や多焦点レンズは使えません。ROCも時間が経っていると、水晶体嚢が硬くなるので、うまくできない可能性があるかと思います。治療を考える時は、この辺りもよく検討する必要があるかと思いました。

それから、先週、レンズの位置修正を行なった仙台からいらした男性の経過観察もあり、今日は仙台、和歌山、宮崎と全国からの患者さまがわざわざ横浜、といっても、いわゆる横浜ではないたまプラーザまでお越しくださり、ありがとうございました。

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