院長ブログ

出血のある時のレンズ相談

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂2人、霰粒腫1人(5歳女の子)、硝子体出血の硝子体手術1人でした。

今日の外来では、糖尿病網膜症からの硝子体出血で他院で白内障手術と硝子体手術を受けた40代後半の女性の方が、『右眼は手術して1回見えるようになったけれど、その後また出血して1か月くらいほとんど何も見えない。元々、近くが見えていたけれど、手術して手元が見えなくなってしまった。』ということのご相談にいらっしゃいました。

右眼に関しては、術後の再出血で、待つことでいつか出血が引いてくることはありますが、患者さんが見えなくて困るということもありますし、出血で眼の中が見えないということは、眼の中で何か悪い変化が起こっていても把握しにくく、こちらからしても不安要素があり、あまり放っておかない方がよいかと考えています。

また、糖尿病網膜症の硝子体手術では、水晶体を温存しても割と近いうちに白内障が進行してしまうことも多いため、一緒に白内障手術(トリプル手術)を行うことは決して悪いことではないですし、僕もこのようなケースではトリプル手術を行うことが多いです。ただ、この患者さんのようにお若い方では、単焦点レンズにした時に、急に老眼が進んだような感覚になり、レンズの度数選択はとても慎重に行わなければならないかと考えています。

この患者さんの場合、元々は近視だったのを、眼内レンズを中間合わせにしたところ、近方の見えにくさが出てしまったと思いますが、右眼の再出血を起こした後から、より自覚するようになったとのことで、もしかすると、右眼の出血がよくなれば、それほど不自由を感じなくなるかもしれず、そもそも、あまり出血をそのままにしておくのもよくないと思たので、まずはまた出血を取り除くことを目的に硝子体手術を行う予定とさせていただきました。

ちなみに、硝子体出血の硝子体手術後の再出血の手術は、また出血を取ってみないと詳細は分からず、もし出血の中で網膜表面に異常な膜(増殖膜)が張っていたり、網膜剥離などの悪い状況では、手術時間も長くなってしまうこともありますが、単に出血しているだけであれば、それを取り除き、出血の原因箇所が明らかであれば、再出血しないような処置を行うだけなので、初回の手術よりは短時間で負担も少なく終えられます。

今日はこの方も含め、白内障の術後の不具合の相談の方が5名いらっしゃり、外来が終了したのは21時半でした。患者さんにはだいぶお待たせしてしまい、スタッフにも遅くまで残ってもらってしまい、申し訳ありませんでした。

皆さん、遅くまでお疲れ様でした。

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