院長ブログ

ROC

今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは、白内障3人と霰粒腫3人(2歳女の子、6歳男の子、7歳女の子)でした。

今日の外来ではnegative dysphotopsia(ND)の治療の相談の方のご来院がありました。NDは外側(耳側)の視野に三日月状の影があるように感じる症状で、眼内レンズのエッジがあることでレンズの前面と後面の光の入るギャップが原因で出るとされています。

なので、通常の経過でも出ることのある症状で、レンズがきれいに入っていないとかレンズそのもの問題がある訳では全くありません。また、術後の経過で水晶体嚢に混濁が生じてくると、症状がなくなってくることもあるといわれています。

ということで、NDの症状があるからと心配する必要はないのですが、どうしても症状が気になる、なんとかしたいという場合には、一応、治療方法もあります。

レンズの径が小さく、レンズと虹彩の間の距離があると症状が出やすくなるため、レンズが6mmの場合は径の大きい7mmレンズに換え、レンズを嚢外固定するか、レンズの脚の部分は嚢内で光学部のみ嚢外に出すreverse optic capture(ROC)、もしくはもう一枚アドオンレンズを入れるという方法があります。

この患者さんの場合、ピントの位置も変えたい希望もあり、7mmのレンズで入れ換えてROCを行う(ROCが難しければ嚢外固定の)方向で考えていましたが、レンズの癒着が強く取り出しが難しい可能性があること、乱視の影響もありトーリックタイプのない7mmレンズでは乱視が残ってしまうことから、ROCや嚢外固定よりは、ピントを遠方にしつつ乱視を矯正するアドオンレンズを入れるのがよさそうという話をさせていただきました。NDの症状、ピントの位置、乱視の3つの問題があり、どちらでもNDの症状はうまくいけば消え、入れ換えでは、ピントの位置は変えられるけれど、乱視は残ってしまいますが、アドオンレンズなら乱視までカバーでき、手術の簡単さからも望ましいかと思われました。最終的には実際に手術をするかを含めて、患者さんの希望を踏まえて方針を決めていきたい思います。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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