今日は午前は外来、午後は手術で、今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫5人(3歳女の子、6歳男の子、30歳女性、44歳男性、52歳女性)、眼瞼腫瘍切除1人でした。
昨日、白内障の手術をさせていただいた女性は、糖尿病の持病があり、HbA1cが10を越える値でした。以前はA1cが高いと白内障の手術はすべきでないとされていましたが、手術の侵襲が少なくなってきている現在では、必ずしも当てはまらず、多くの場合は手術しても問題ないと考えています。手術をすべきでないのは、中程度以上の眼底出血や滲出斑、黄斑の浮腫などを認める網膜症が存在するような状況で、このような状況で白内障の手術をしてしまうと、炎症により網膜症が悪化し収拾がつかなくなってしまうリスクがあります。そのため、白内障の手術に先んじて、血糖値のコントロール(これも急激に行うと網膜症が悪化してしまうことがあり、注意が必要です)や網膜症に対する治療(レーザー治療や抗VEGF薬硝子体注射など)が必要になります。
なので、昨日の患者さんは網膜症がなかったので手術をしました、、、という話になるべきなのですが、実は中等度も網膜症が存在していました。本来は白内障の手術は後回しにすべきであり、そのことは十分説明しましたが、白内障の影響も強く、視力が両眼とも0.1もなく、現実的に生活に支障を来たしており、強いご希望で手術をさせていただきました。手術はなるべく炎症が出ないように慎重に行い、終了時にはステロイドの注射も行いました(血糖値が上がる恐れもありますが、消炎を優先しました)。結果的に術翌日の視力は0.9まで改善しとても喜んでいただけてよかったですが、今後、網膜症の悪化には注意が必要でしっかり経過観察をしていきたいと思います。
それから、今日の霰粒腫の切開では、6歳の男の子が再発で再度の切開になりました。前回は両眼上下の切開で大変だったこともあり、泣きながらになってしまいましたが、今日は全く泣かずにできて1年の成長を感じさせてくれました。頑張ってくれてどうもありがとう。
今日も手術お疲れ様でした。