院長ブログ

強主経線切開

今日は午前は外来、午後は手術でした。

手術の申し込みは、白内障6人、眼瞼下垂1人、霰粒腫1人(16歳女の子)でした。

今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫4人(3歳男の子、10歳男の子、36歳男性、55歳男性)でした。

白内障の手術では、乱視があると見えにくさが残ってしまうため、乱視を矯正するトーリックレンズを使う必要があります。

乱視といっても、ご本人が感じる乱視があれば、全て矯正しないといけない訳ではなく、乱視は主に角膜と水晶体からなり、白内障の手術では水晶体を取り除いてしまうため、角膜の乱視がある場合がトーリックレンズの適応となります。

昨日、白内障手術の65歳女性の方は、角膜乱視が2Dあり、本来であれば、トーリックレンズの適応でしたが、強度近視のため、一般的な1ピースレンズでは適切な度数がなく、3ピースタイプのレンズを使わなければならず、この3ピースレンズにはトーリックタイプがないため、レンズによる乱視矯正ができませんでした。この場合、乱視は仕方のない部分もありますが、乱視を少しでも弱くするために、乱視のカーブの強い主経線方向で切開を入れる“強主経線切開”を行いました。

それで確実に乱視が減る訳でもないのですが、今回、半分くらいの1D程度まで減ってくれて裸眼視力も1.0まで改善し良好な経過でよかったです。この患者さんの乱視は直乱視で、乱視は方向により見えにくさが異なり、直乱視では多少、乱視が残ってもあまり見え方に影響しないとされるので、乱視の方向もよかったかと思います。

この患者さんのように角膜乱視がある程度あるのに、単焦点レンズでもトーリックタイプが使えない場合や、トーリックタイプのない多焦点レンズ(Vivityや選定療養のFine Visionなど)では、強主経線切開はよい方法だと思っています。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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