今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人で、今日の手術は、白内障11件と黄斑上膜の硝子体手術1件でした。
2週間前に左眼の白内障の手術をした60代の女性の患者さんの経過観察がありましたが、この方は元々、角膜内皮細胞1000程度とが少なかったものの、角膜実質の透明性は保たれており、多焦点レンズを選択したところ、思ったより視力が改善せずに、当初予定していた右眼の手術は見送っていました。角膜の実質は透明であったものの、術前より認めていた内面の淡い濁りがあり、視力が出にくい原因として考えられました。通常の単焦点レンズであれば、支障ない程度でしたが、回折型の多焦点レンズでは思った以上に影響が出てしまったと思われ、見えにくさを改善するには、単焦点への入れ換えが選択肢になるかと思います。ただ、1000ほどあった角膜内皮の密度が手術の後は、500〜600程度まで減少し、簡単に入れ換えがしにくい状況です。
まだ手術していない右眼の状態は角膜も水晶体も左と同程度ですので、右眼のレンズの選択は単焦点レンズにするのが望ましいと考えていますが、左眼の状態をもう少し見てからの手術でよいかとお話させていただきました。
患者さんから、『右眼の手術はした方がよいですか?このまましばらくしなくともよいですか?』と質問を受けましたが、すぐに手術しなければいけないことはないものの、白内障は少なくとも少しずつは進行し、進行すればするほど、手術による角膜のダメージは多少なりとも大きくなるので、このままにして白内障が進んでからダメージを大きくしてしまうよりは、あまり進まないうちに手術してあげた方が、眼にとってはよいと思いますとお伝えしました。
角膜の細胞の数が少ないと、なかなか手術に踏み切りにくいところはありますが、ある程度の年齢の方であれば、あまり進まないうちに手術することが結果的にはよいと考えています。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m