今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障4人と眼瞼下垂1人で、今日の手術は、アドオンレンズ1人、白内障10件、黄斑上膜の硝子体手術1件でした。
今日は外来で今度、アドオンレンズの手術を行う70代半ばの男性の方の術前の説明と午後は50歳の女性の方のアドオンレンズの手術がありました。
外来の70代半ばの方は、5年ほど前に他院で多焦点レンズを使った白内障の手術を受けたものの、遠視や乱視の影響で左眼の裸眼の遠方視力が0.4と不十分で、右眼は小児期の怪我の影響で矯正視力が不良ということもあり、もう少し左眼は裸眼でよく見えるようにしたいということでアドオンレンズで矯正する方向とさせていただきました。
手術の50歳の女性の方は、元々、両眼とも-6Dの強度近視の眼だったのですが、昨年の6月に右眼網膜剥離を起こし、他院で白内障手術も一緒に網膜剥離の手術(硝子体手術)を行い、近視の値を-3Dに設定したところ、左右の見え方の違和感が強く、右眼を元の近視の値にしたいということでアドオンレンズで度数を変えることとしました。-6Dの強い近視に戻すのはちょっともったいない気もしましたが、事前のシミュレーションでも左右差をなくした方が見え方がよいと感じられたので、近視を元の値に戻すことがよいことと思われました。左右差をなくす目的であれば、左眼の白内障の手術をすることも方法の一つでしたが、まだ白内障はほとんどなく、調節力も十分残っていたため、治療としては選択しにくい状況でした。それで、右眼の度数を変更する手術の方法をどうしようかと考え、レンズ交換も十分可能と思われましたが、アドオンレンズにしました。その理由は、単純に手術が容易ということもありますが、将来、左眼の手術をして近視を弱くした時に、アドオンレンズならばレンズを簡単に取り出せ、そうすればまた右眼も−3Dの軽い近視に戻すことができ、左右を合わせることもしやすいので、将来のことを考えると一番、合理的と思われので選択しました。
アドオンレンズは国内ではまだまだ普及していない状況で、患者さんはもちろん眼科医でも知らない先生もいる現状のようですが、術後の度数調整にはよい方法だと思います。ピントの位置を変えたい、単焦点の眼を多焦点にしたいというような希望をお持ちの方はご検討いただければと思います。
今日は知り合いの先生が見学に来てくれました。久しぶりでしたが、懐かしく、とても立派な眼科医になっていたのでうれしかったです。来てくれてどうもありがとう。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m