今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは、白内障1人、霰粒腫1人(14歳女の子)、眼内レンズ交換1人でした。
今日の外来では、『10日前から急に左眼のまぶたが下がってきた』と70代後半の女性の方がいらっしゃいました。70代なので年齢変化による眼瞼下垂はあっても全くおかしくはないですし、少しずつの変化でもある日、突然、下がったように感じることもあり、普通の年齢による眼瞼下垂かなと思って問診票を見ていましたが、診察室に入ってきた患者さんのまぶたを見ると、明らかに左眼のまぶたが極端に下がり、単なる年齢の変化とは思えませんでした。症状を聞くと、まぶたを挙げて見ると、物がダブって見えるという複視の症状もあり、まぶたを挙げる筋肉や眼を動かす筋肉に関わる動眼神経が障害されている可能性が考えられました。動眼神経が麻痺すると、まぶたが下がり、外側以外の眼の動きが悪くなり(眼球運動障害)、瞳孔の反射(対光反応)も低下する所見が出てくるのですが、眼球運動障害や対光反応は明らかな異常がなく、はっきりはしませんでしたが、脳動脈瘤などの頭蓋内の疾患が原因となっていることもあるため、頭の画像検査を急いで受けていただくようにお願いしました。
まぶたが下がる眼瞼下垂の多くは加齢によるものですが、稀に何かしらの病気の一症状として眼瞼下垂が現れることがあり、今回のように急にまぶたが下がったような時は早めに受診いただけるとよいかと思います。
今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m