院長ブログ

長野と兵庫から

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人、今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫4人(3歳男の子、3歳女の子、11歳男の子、26歳女性)でした。

今日の霰粒腫の4歳の女の子は長野から、3歳の男の子は兵庫からでした。

子どもの霰粒腫で『目薬や軟膏を使ってもなかなか治らなくて』とか『子どもは様子を見るしかないと言われてしまって』とか『あとどれくらいで治るのでしょうか?』と言われることが多くあります。

霰粒腫のでき方によっては、自然と治ることはありますが、点眼や軟膏で治るものではないと思っています。治すなら切開が必要になり、『大人なら切開するけれど』と言われることもあるようですが、大人で切開が必要な病気は、当然、子どもでも切開が必要な訳です。ただ、大人は通常、局所麻酔の注射だけで切開できることがほとんどですが、子どもの場合はなかなか我慢が難しいので、切開の方法に工夫が必要で、全身麻酔までかけてあげたり、僕のところでは全身麻酔の設備が無いので、鎮静剤の薬を飲んでもらい、多少、落ち着いた状態にさせて局所麻酔の注射をして切開しています。ただ飲み薬を飲めばぐっすり寝てしまうというものではないので、泣かずにできることもありますが、泣いてしまうことの方が多いくらいではあります。

何度か書きましたが、“様子を見る”というのは、ただそのままにしておくのではなく、経過で変化があれば、何かしらの治療を加えることを前提に見ていくことで、経過観察です。軽度の霰粒腫で悪い影響がない時は何もしなくともよいですが、どんどん大きくなったり、皮膚面に出てきてしまったり、悪化の兆候があるのに、”様子を見るしかない“というのはちょっと違うのではと思っています。あくまでも悪化した時にはきちんと治療を考えてあげるのが、本当の”経過観察“であると思います。

こういうことをブログで書いているからか、ネットで調べると僕のところがヒットして、相談される方が多いのかもしれませんが、今日、来てくださった方も、遠方から大変だったと思いますが、大変というのは単に距離的なこともありますし、子どもの切開の処置を、一度も会ったことも話したこともない僕に託していらっしゃるのですから、それは相当の覚悟をしてのことだと思います。その気持ちに応えられているかは分かりませんが、そういう気持ちは分かった上で、精一杯頑張ろうと思っています。おみやげまでどうもありがとうございましたm(_ _)m

各地で子どもの霰粒腫の治療をしている先生もいらっしゃると思いますが、遠方からわざわざ僕のところまで来なくともちゃんと治療が受けられるようになるといいなと思っています。

今日も手術、お疲れさまでしたm(_ _)m

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