今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人と眼瞼下垂1人でした。
今日の手術は、白内障8件、硝子体手術1件(核落下)、眼瞼腫瘍1件、眼内レンズ交換2件でした。
今日もレンズ交換が2件ありましたが、一人は他院で2年前にレンティスを入れ、もう一人はか月前にパンオプティクスを入れていました。
レンティスの方は本当はもっと早くに入れ換えの手術を一旦予定していたのですが、体の病気が見つかり、そちらの治療を優先したため、初回の白内障手術からだいぶ時間が経っていました。しかし、この方の方が入れ換え自体は容易でした。それは、レンズの片方の支持部(ハプティクス)が水晶体嚢の外に出て、レンズが傾いて入っていたので、癒着がほとんどなかったからです。癒着は水晶体嚢の内側に残る水晶体の細胞が糊のような役割を果たすことで起こるので(多分)、水晶体嚢の上(外)にあるレンズには癒着が生じません。また、水晶体嚢の中でレンズの支えが張ることで水晶体嚢の内面とレンズがある程度の力が加わった状態で接することで癒着が生じてくるので、片方の支えが水晶体嚢の外に出ていると、入っている方の支えやレンズ自体にも癒着が生じにくいものなのだと思います(紙に糊付けしても、しっかり押し付けてあげないとちゃんとくっつかないのと一緒かと)。ということで、嚢外固定では、基本的に癒着は生じないので、時間が経っていても入れ換えは問題なく行えるかと思いますし、片方の支えが嚢外に出ていると、それだけでもレンズの取り出しは難しくない状態だと思います。
この方のようにレンティスが傾いて入っていると、すっきりしない見えにくさや光が扇状に広がる異常光視症など不快な見え方をしてしまうことがあるので、きちんと治療をしてあげることが大切かと思います。
ちなみに、このようにレンズが嚢外に出ていると、前嚢と後嚢はぴったりべったりくっついてしまい、これをきれいに剥がすことは難しく、無理することもないので、そのままに、新たなレンズはきちんと嚢外固定で入れ直しました。これでスッキリした見え方になってくれるといいなと思います。
今日も手術お疲れ様でしたm(_ _)m