院長ブログ

小俣駅

今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは、白内障3人、硝子体手術2人(黄斑円孔、黄斑上膜)、霰粒腫1人(52歳男性)でした。

今日、白内障術後の相談でいらした60代の男性の方は、昨年の9月に他院で単焦点レンズを使った右眼の白内障手術を受け、ピントの相談はあまりなく、『軽い近視にしましょう』と言われ、近くが見えると思っていたところ、遠くは見えるけれど、近くが見えずに困ってしまったそうです。

眼の状態としては、遠視(+0.75D)になっており、遠方の裸眼視力は1.2でしたが、

当然、近方は見えにくい状況(近方視力0.2)となっていました。“軽い近視にする”がどの程度の近視を狙ったのかは分かりませんが、元々の裸眼視力が0.7-0.8だったそうで、術者としてはあまり遠方を落としたくないという心理があり、-0.5Dもいかないうらいの本当に軽い近視を狙った上で、若干の度数ズレで遠視になってしまったのかなと思います。手術の前にある程度、遠方も近方も見えている方の眼内レンズの度数の設定も難しいですが、設定から度数がズレることもどうしてもあり、このような状況は起こりうることかと思いますが、もう少し近方に合う度数にしてあげることと、元々、割と見える範囲が広かった人にはアイハンスなどのmonofocul+のタイプのレンズの方が向いていると思うので、そういうレンズにしてあげるとよいかと思いました。ただ、前嚢の収縮と混濁が強く、瞳孔の開き(散瞳)が悪く、ちょっと入れ換えがしにくい所見もあるのですが、実際に入れ換えの手術をしてみて、入れ換えが難しいようなら、アドオンレンズで度数を変えることも選択肢の一つかとお話させていただきました。レンズ交換をしようとして、ダメならそのままアドオンレンズの治療に移れますか?とご質問いただきましたが、アドオンレンズは海外から輸入して使うレンズなので、レンズの発注の時点で費用が発生してしまい、使わなくとも返金が効くものではないので、基本的には使うと確定された時点で発注をしています。予めアドオンレンズも注文しておいて、レンズ交換ができてしまい、使わない場合もアドオンレンズの費用をご負担いただければ、レンズ交換が不可の時にそのままアドオンレンズの治療に移行することはできますが、費用がもったいないですし、また改めて予定すればよいことなので、一つ一つ考えていただいた方がよいかと考えています。

また、この方の場合、左眼がまだ白内障が残っていて、-2.5Dの近視の眼なので、なんとか左眼で近くが見えて過ごせているそうですが、バランスが悪く、老眼鏡もうまく使えないことにも不自由を感じているそうで、やはり右眼のレンズの入れ換えピントの位置を近方にしてあげることが一番よい方法ではないかとお話し、治療をどうするかお考えいただくようお伝えし、お帰りいただきました。

この患者さんは僕と同郷の栃木県からお越しくださり、地元の話もさせていただきましたが、栃木の中でも県南の群馬よりで、僕が高校の頃、仲のよかった友だちがいた“小俣駅”という言葉も久しぶりに聞き、とても懐かしく思いました。高校生の時の友だちはもうほとんど連絡していませんが、皆んな元気かな?なんて思いました。ちょっと昔のことを思い出すきっかけをくださり、ありがとうございました。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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