白内障手術を受けた患者さまにとても好評な単焦点“扱い”の眼内レンズにレンティスコンフォート(Lentis Comfort;参天製薬)というレンズですが、その理由は保険適応の単焦点レンズなのに、焦点の幅を持たせることができ、EDOFタイプといわれる多焦点レンズのような見え方を得ることができるからです。
通常、単焦点レンズで遠方に合わせると、遠くはよく見えますが、1mくらいの中間距離からピントが合いにくくなり、手元はかなりぼやけてしまいます。
このレンティスコンフォートですと、遠くを見えるようにしても、中間距離くらいまでは良好な見え方を保つことができ、パソコン作業や運転時のカーナビも見え、うまくいくとスマホなども見えるようになることもあります。
すごくよいレンズなのですが、残念ながらこのレンズが“現状で”使えないケースがあります。
それは、近視、遠視、乱視が強い場合です。
近視や遠視がすごく強いとレンズの製造範囲外になってしまうことがあるため、
適切なレンズが選べず使えないことがあります。
また、トーリックという乱視を矯正する度数の入ったタイプのレンズもないため、“今のところ”乱視の強い方にも使えません。
しかし、乱視の強い方に対しては、これからは大丈夫です。(乱視が強すぎると以前、適応外になってしまいますが、、、)
なんと、来月11月から連ティスコンフォートのトーリックタイプも発売されるという朗報が入ってまいりました。
これまで、乱視が強くレンティスコンフォートの使用を断念せざるを得ないケースもありましたが、これからはそのような残念なことがだいぶなくなります。
もちろん、乱視の矯正にも上限があり角膜乱視で2D程度までとなりますが、これから白内障の手術を考えている方にとってはハッピーな情報かと思います。
レンティスコンフォートについてはだいぶ使用経験も多くなってきましたので、白内障の手術で単焦点レンズをお考えの方でピントの位置、焦点距離についてお悩みの方はぜひご相談ください。