先週のYahooニュースでレンティスコンフォートという眼内レンズに関する記事が出ていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a7ead7c11310a72137f8f7a8e831b52a2a89857c?page=2
ちょっと?と思う記述もありましたが、レンティスコンフォートでの見え方に関しては概ね合っている記事だったと思います。
このレンティスコンフォートというレンズは最近よく使っているレンズなのですが、完全に保険診療となる単焦点レンズにもかかわらず構造が通常の単焦点レンズとは異なり、焦点の幅を作ることができるEDOFというタイプの多焦点眼内レンズに近い見え方が可能なレンズです。
通常の単焦点レンズですと、遠方にピントが合うような度数を選ぶと、遠くは眼鏡なしで見えますが、基本的に近くは眼鏡が必要になります。
レンティスコンフォートでも読書などの近くはやはり眼鏡が必要になることが多いですが、パソコンやカーナビなどのやや離れた近くは大丈夫なことが多いです。
遠くが見たいけれどパソコンくらいは裸眼でしたいという方や近くの書類やスマホも見たいけれど、パソコンの仕事も多くてという方で単焦点レンズ希望の場合はピントをどうするかすごく悩ましかったのですが、このレンティスコンフォートを使うことでだいぶカバーできるようになりました。
見たい距離が明確であとは眼鏡をかけようと思う方は通常の単焦点レンズでよいかと思いますが、ピントの希望を1か所に決められず、ある程度焦点の幅を持たせたい場合はレンティスコンフォートはとてもよいと思います。
ちなみに、先週の金曜日の当院の白内障手術は10件あったのですが、そのうち2件は3焦点の多焦点レンズ、硝子体手術の症例が通常の単焦点レンズで残りの7件がレンティスコンフォートでした。
白内障の手術でレンズのピントでお悩みの方はこのレンティスコンフォートを選択肢の一つにしてもよいかもしれません。