『眼圧が高いとよくない、緑内障になる』と聞いたことはありますか?
そもそも、緑内障という病気はどんな病気でしょうか?
白内障は水晶体が白く濁ってくるけど、緑内障は何が緑になるの?なんて思う方もいらっしゃるかもしれません。
緑内障とは『眼圧が高いことにより視神経に負担がかかり視野が悪くなる病気』です。
緑内障という病名は、諸説ありますが、眼圧が高くなって最終的に目が機能しなくなると瞳孔が開いて目が緑っぽく(黒っぽく)見えるようになり『緑』内障となったともいわれています。
そんな緑内障ですが、眼圧と密接な関わりがある病気です。
眼圧とは目の中の圧、分かりやすく言うと、『目の硬さ』を表します。
そして、日本人の眼圧の正常値(正常範囲)は10〜21mmHg(『mmHg』は圧の単位)です。
緑内障の診断をする時に、患者さまにその時の眼圧の値と正常値も伝えますが、例えば、その時の眼圧が15mmHgですと、『えっ、眼圧は正常値なのに高いってどういうことですか!?』と反応されることもあるというか、そのように言われることが多いですし、確かに自然な反応かもしれません。
誰でも『正常値なのにダメってどういうこと??』と感じるのではと思います。
眼圧は『その人にとって』、もっと言うと、『その人の視神経にとって』適切な眼圧かどうかというのがとても大切になります。
神経が強い人であれば、眼圧が多少高くても問題ありませんが、神経が弱い人には眼圧が低くても神経に負担になっていしまい、緑内障を発症することがあります。
その眼圧が低くても緑内障になってしまうのが『正常眼圧緑内障』というタイプの緑内障で日本人に多い緑内障の型です。
そもそも眼圧の正常範囲というのは、『日本人の95%がその範囲に入ってきますよ』という値です。しかし、その範囲に入っていれば大丈夫というものではないのです。
よく患者さまには体重の話を例に出しますが、眼圧の正常範囲は10〜21で、その差は11ですが、別の見方では10と21で倍違います。体重でいうと日本人の多くは50キロから100キロの範囲に入ってきますと言っているようなものです。
身長が大きい人(例えば2mもある人)なら体重100キロを越えていても適切な場合もありますが、身長が150cmくらいの人で50キロだとオーバーな場合もあるかと思います。(体重と身長はあくまでも例え話ですが、、、)
緑内障に関しても眼圧だけでは何とも言えず(体重の値だけでは何とも言えないのと一緒で)、視神経の強さとのバランスが非常に重要となってくる訳です。
眼圧はその人その人の適正な値を知ることがとても大切です。
緑内障の治療を始める時に、患者さまから『眼圧はいくつにすればいいですか?』と聞かれますが、おおよその目安はあるものの、実際にどのくらいまで眼圧を下げる必要があるかは、実はその時点では分からないのです。
適正な眼圧値とは、緑内障が進行しない眼圧の値となり、眼圧を下げる目薬を使い、定期的に視野検査を行いながらその適正な眼圧の値を探していかねばならず、その値を見つけ、キープしていくことがとても重要となるのです。
現在、日本人の失明原因の第1位は緑内障ですが、初期のうちにみつけ、しっかり治療していくことで、失明どころか症状を自覚することなく過ごすことができるのも緑内障です。
当院では緑内障の検査はもちろん、緑内障に対するレーザー治療や手術も対応しております。また、残念ながら緑内障が進んで強い視力障害があり生活に不自由を感じている患者さまのケア(ロービジョンケア)も行なっております。緑内障でお困りの方、ご不安を抱えている方はぜひ一度、ご相談ください。
↑初期の視野変化
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