今回は、遠視治療についてお話しします。
遠視治療を開始する際に、本人は見えにくそうにしていないけれど、眼鏡をかける必要があるのか?
こんなに小さいうちから眼鏡をかける必要があるのか?というご質問を頂くことがあります。
遠視は、近視と同じように、屈折異常の一つで、遠視の度数によっては眼鏡矯正が必要です。
近視は、近くにピントが合うため、遠くは見えにくいですが、近くは見えています。
遠視は、遠くが見えている状態と思われるかもしれませんが、遠視の度数が強いと、遠くにも近くにもピントが合うところがなく、どちらもはっきり見えない状態(ぼやけた状態)です。
はっきり見えない状態のままでいると、物を見る力が育ちにくくなります。
このような状態を遠視性の弱視といいます。
このような状態を防ぐために、ある程度強い遠視には早期の治療が必要になります。そして、治療の基本は、眼鏡矯正となります。
近視の場合、成長に伴い進行していくことが多く、視力低下に気づきやすいですが、遠視の場合は、生まれた時から遠視の状態であることも多く、元々ぼやけた見え方であれば、お子さん側から見えにくいと訴えることがあまりありません。
そのため、3歳児半検診や就学時検診で初めて視力低下を指摘され、遠視だと分かる場合も少なくありません。
はっきり見えない状態のままでいると、物を見る力が育ちにくくなります。
物を見る力(感受性期間)は8歳くらいまでに決まるので、その時期までにはっきり見える状態を作ることが大切です。
感受性期間を過ぎてから眼鏡で矯正をしても、視力が育ちにくく、弱視となる可能性があります。
そのため、遠視の場合、視力がしっかりと育つまでは眼鏡矯正をして、見る力を育てる必要があります。
成長に伴い、遠視の度数が減少していけば、眼鏡が不要になることもあります。
また、ある程度年齢が高くなると、眼鏡ではなくコンタクトで矯正することも可能になります。
お子さんの見え方でご心配がある場合はご相談ください 💡
R.E