広く眼科一般疾患に対応しております
白内障手術、眼瞼手術、硝子体手術をはじめ、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などの検査や治療など広く眼科一般疾患に対応しております。
眼の病気はほとんど治療を要さないものから適切に治療をしないと失明に至るものまでさまざまな病気が存在します。『最近、見えにくいかな』とか『飛蚊症が増えた気がする』など小さな症状でも大きな病気が潜んでいる(大きな病気の前触れの)こともありますので、気になるときは、是非一度、受診してください。
また、初期の糖尿病網膜症や緑内障のように症状がなくても治療や経過観察が必要な病気もあれば、結膜下出血や生理的な飛蚊症のように症状があっても治療が必要ない(治療法のない)病気もあります。なるべく患者さまには納得いただき、満足いただける診療を提供したいと思っておりますので、病気や検査、治療などについて何か疑問や不安があるような時は、小さいことでも構いませんので、なんでもご相談ください。
よくある疾患
結膜炎
結膜は目の表面を覆う薄い膜でいわゆる白目といわれる部分で、結膜は黒目の外側から眼球の表面を覆い、眼球の途中からまぶたの裏側につながっています。この結膜が、何らかの原因で炎症を起こし充血や目やにが出るようになるのが結膜炎です。代表的な原因としては、細菌やウイルス感染、アレルギーなどがあります。結膜炎というと人にうつる感染性を心配されますが、全ての結膜炎が感染性を持つわけではなく、ウイルスによる結膜炎のみに、その心配があります。
主な症状としては、目やにが出て目が充血します。ゴロゴロ感はありますが、痛みはないことが多いです。診察や検査で原因を特定し、原因に応じた点眼薬を使用することで、細菌やアレルギーが原因の結膜炎は通常、数日で治癒します。
しかし、アデノウイルスなどによる結膜炎(いわゆるはやり目といわれる流行性角結膜)やプール熱といわれる咽頭結膜熱、エンテロウイルスが原因の急性出血性結膜炎は、ウイルスに対する根本的点眼薬はなく、対症療法として点眼薬を使いますが、基本的には自信の免疫力でウイルスを排除するしかなく、10日ぐらい症状が続きます。流行性角膜炎などのウイルス性結膜炎は伝染力が強いため、手洗いの励行、ご家族とタオルを別にする、入浴は一番後にするなど、人に感染させない行動が必要です。
ドライアイ
涙の分泌(量)が減ったり、質が低下することにより、眼の表面が乾きやすくなっている状態です。眼が乾くことにより、痛みや異物感が出たり、涙がなかなか出ない状態の後、急に多量の涙が出ることにより、流涙(涙目)も症状となることがあります。治療としては、涙の量を補う点眼や質を改善させる点眼を使います。
点眼で改善しない場合は、涙点という涙が鼻へ流れていく入り口の部分に蓋(涙点プラグ)をして、涙をたまりやすくする治療もあります。また、読書やパソコンなどで眼をよく使う方は適度な休憩を取ることや、お部屋の湿度を保つなどの環境を整えることも重要です。
ものもらい
まぶたに細菌による炎症がおきた状態です。抗菌薬と抗炎症薬の点眼で治療を行います。ひどい場合には、抗生剤の内服を追加したり、膿がたまるような場合には切開が必要になることもあります。
涙道疾患(涙目など)
涙目(流涙症)の原因は、涙が多く出る場合と、涙がうまく流れない場合があります。涙が多く出るものには、アレルギー性の結膜炎やドライアイ、角膜障害などがあります。
涙は眼の斜め上にある涙腺というところで作られ、眼の表面をつたい、目頭の上下にある涙点というところから鼻の方に流れていきます。この涙点から鼻への涙の通り道を涙道といい、涙道がつまると(涙道閉塞)、涙が眼にたまってしまい、涙目になります。
涙道閉塞は点眼ではよくならず、細いシリコンのチューブを留置し、涙の通り道を確保する処置を行ったり、鼻の骨を削り、涙の通り道を作る手術(鼻腔涙嚢吻合術)などを行います。
加齢黄斑変性
加齢により脈絡膜(網膜の下の層)に新生血管という悪い血管ができ、網膜に出血や浮腫(むくみ)を来す病気です。黄斑という網膜の大事な中心部に病変ができるため、視野の中心部が暗くなったり(中心暗点)、歪み(歪視)が出るため生活に不便を生じてしまうことも多い疾患です。網膜の細胞は一度障害を受けると再生しないため、早期発見、早期治療が重要になります。
治療としては、新生血管を抑える抗VEGF(血管内皮増殖因子抗体)という薬を眼に注射する治療(抗VEGF薬硝子体注射)を行ったり、新生血管のできた場所によってはレーザーなどで治療を行います。
糖尿病網膜症
血糖値が高い状態が続くことで網膜の血管が障害され、眼底出血や網膜の虚血(血流が悪くなる)、浮腫(むくみ)を起こし、さらに進行すると、悪い血管(新生血管)ができ、眼の中に大出血(硝子体出血)や難治性の眼圧上昇(血管新生緑内障)を起こしたり、眼の中に膜状組織(増殖膜)を生じ(増殖性糖尿病網膜症)、その膜が網膜を引っ張り、網膜剥離(牽引性網膜剥離)を引き起こし、場合によっては失明に至る病気です。
初期であれば、血糖値の内科的なコントロールと定期的な眼底検査で症状を生じることなく過ごすことができますが、網膜症が進行してくると、網膜のむくみを改善する注射(抗VEGF薬硝子体注射)、網膜の虚血状態を認めれば、レーザー治療(網膜光凝固)、硝子体出血や増殖膜を生じた場合は手術(硝子体手術)などの治療も必要となります。
網膜静脈閉塞症
網膜の静脈が何らかの原因でつまり、眼底出血を起こす病気です。網膜静脈のつまる部位により、中心部でつまる網膜中心静脈閉塞症(CRVO)とより抹消でつまる網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)とに分けられます。
網膜の静脈が閉塞すると、眼底出血が起こる他に、血液の血漿成分(水分)が血管からしみ出るため、黄斑部という網膜の中心部の浮腫(むくみ)を引き起こすため、視力低下をきたします。更に、網膜の虚血が起こり、新生血管ができるため、眼圧上昇を引き起こしたり(血管新生緑内障)、眼の中に大出血を起こすことも(硝子体出血)あります。
軽度の場合は、出血を抑える薬や血液の流れを改善する薬の内服で経過をみますが、黄斑浮腫で視力が下がっている場合には、むくみを改善する薬の注射(抗VEGF薬硝子体注射)を行ったり、網膜の虚血が強い場合には、レーザー治療(網膜光凝固)、硝子体出血を起こした場合には手術(硝子体手術)が必要になることがあります。
眼瞼痙攣・片側顔面痙攣
まぶたを閉じる筋肉が強く働いてしまうため、眼を閉じがちになってしまったり、まぶしさ、眼の痛みがでる状態が眼瞼けいれんです。顔の筋肉を司る神経が過敏になり、顔の筋肉が自分の意思とは無関係に動く状態が片側顔面けいれんです。筋肉や神経の運動を抑える内服で改善することもありますが、収まらない場合は、筋肉の動きを抑える薬(ボトックス)の注射を行います。
ロービジョンケア
緑内障や黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜色素変性症などで、残念ながらどんな薬を使っても、どんな手術をしても、どんなによい眼鏡を使っても、視力が改善せず、見えにくさが残ってしまうことはどうしてもあります。この状態を『ロービジョン』といいます。矯正視力を改善させることはできなくても、必要な補助具を適切につかうことで、少しでも見やすく、生活しやすくすることは可能です。そのサポートをするのがロービジョンケアです。
飛蚊症
眼の中(硝子体)の濁りによって虫が飛んでいるように感じる状態です。年齢により自然に生じる生理的な原因による飛蚊症が多く、治療を必要としないことが多いですが、なかには網膜剥離や出血、炎症など治療が必要な病気に伴って生じることもあり、特に急に出現した場合は眼底検査を行った方がよい場合もあります。